埼玉県川口市　　古民家再生リフォーム　～途中編～

延べ床面積で１６０平米
築５０年くらいは経っているかのようなこちらの古民家を

パッシブハウスという省エネ住宅を推奨する
埼玉県川口市の大工職人
アサヒホームの清水さんがリフォームをされていると聞くと
こだわりが好きな僕としてはどうしても見たくなります。

工事の詳細を聴くと
外観の色も今後のリフォームで変えていくそうで

取材にお邪魔したときはまだ以前の雰囲気が残っていて
これから更に時間と手間をかけて
こだわりのお家へと変貌させていくとのことでした。

右手に進むと、２つの和室と
廊下を挟んで洗面所やお風呂場があります。

こちらの和室は間取りを変えずに
床の間や仏間の位置もそのままですが綺麗に直し

和室と和室の間にある欄間も
鶴の部分を白く、その他の部分も塗装してメリハリをつけたことで
鶴らしさが強調されるようになりました。（下画像）

清水さんはおじいちゃんが大工さん
お父さんも建築関係の仕事をされていたこともあって
幼少期から身近にあったと言います。

お客さんからありがとうと感謝される姿を見ていて
自分もそういう大工さんになりたいと
高校卒業後、実際に工務店に勤めて働きながら
大工さんの仕事を勉強していくという大工育成塾に入り

３年間、墨付け刻みなど基礎からキッチリ身に着け
独立してからは省エネ住宅のことを再勉強して
人にも環境にも優しい、木の良さを活かした家造りを目指して

今も新たに何かを掴もうと
日々 向上心を持って取り組まれている大工さんです。

二階の左にある和室は元々２部屋だったモノを
１つの部屋にして天井も失くして梁を見せ

押入れの襖も取っ払うことで
入った瞬間一気に開放的な空間が広がっていました。

寝床だけ高さを出して同じ部屋の中でも
ちょっとくつろげる場所として造られました。（下画像）

こちらの床材ももちろん無垢の木が使用されていて
今回、お話を聴いていて
僕もこれまでいろいろな大工さんを取材してきましたが

清水さんは柔軟な発想で固定概念に囚われてなく
でも大工伝統の良さは
しっかりと継承していきたいという想いも持っておられ

昔と今、それぞれの良い所を昇華させることができる
そんな今まで出会ったことのなかった大工さんでした。

こちらのお家は細部にまでこだわっていきたいという
清水さんの工夫が随所に散りばめられていくため
完成まではもうしばらくかかるそうですが

期待以上の仕上がりになる・・・そんな予感がしてます。


取材撮影＆文 ： とくおか じゅん