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たたみ屋  田中正・裕司の施工例

施工例写真1
1950年(昭和25年)創業の「田中たたみ店」さんの畳表張替え工事を御紹介致します。
現場は京都府城陽市の作業工場です。
平成27年6月に畳工場を移転して約1年を迎え、益々多忙の毎日を送られています。

この日も朝一番で社長田中正さんと代を引き継ぐ事になる息子祐司さんが、お客様の元へ畳引き上げに出向かれました。
引き上げてきた畳12枚を早速荷台から下し工場内へ!祐司さんがテキパキと荷下ろし作業を行います。

今回お預かりした畳は畳表の張替えをされるそうです。

田中たたみ店では御連絡をいただいた後、先ずはお宅にお邪魔して見積もりをおこない、お客様の御要望にあわせて畳張替えや畳新調をされているとの事。
畳の事なら安心して創業から68年の畳プロ職人にお任せください。
施工例写真2
畳工場の作業台に積み上げられた畳は直ぐに一枚一枚の採寸がされ、古くなった畳表に寸法が記入されていきます。

採寸には専用の定規、畳縁(タタミヘリ:長辺側)の片側に定規の鍵部分を引っ掛けて素早く正確に測ります。
この時はアルミ製定規でしたが作業台の上には使い込まれた竹製の定規も!それには田中たたみ店の歴史が刻み込まれた風格が漂っていました。
採寸作業では祐司さんは寸法を読み上げながら畳幅の量端と真ん中あたりの三か所を測られ、定規には寸貫法が目盛られているので読み上げる単位も、それの寸法なので、私にはその寸法がイメージ出来ません!
施工例写真3
畳の寸法を読み上げる理由は、機械に数値を入力するためです。

畳は京間(関西間)や中京間、江戸間(関東間)と代表的な規格サイズがありますが、それはあくまでも基準サイズなので一枚一枚のサイズは微妙に異なるのだそうです。

金属等を型に入れて作るものではありませんし、畳を形作る素材から考えれば当たり前といえますね!でも驚いたのは、その事ではなく、一枚一枚の寸法誤差を正確に再現して新しい畳表が張替えられていくということです!!
素人考えでは規格サイズに調整(矯正)しなおせば好いのでは?と思いますが、一枚一枚を完全な規格サイズに畳修理してしまうと、元の部屋にスムーズに収まらない事もあるのだそうです。

長年使われる事で部屋に馴染んで、敷かれた場所に合わせて微妙に形を変えていく畳ですから、畳表張替えはそれぞれの家(部屋)の個性に合わせて施工されるオーダーメイド工事でもあるのですね!
施工例写真4
全ての畳を採寸して機械のコンピュータ入力が終わると、いよいよ実際の張替え作業に移行します。

田中たたみ店では熟練畳職人の正社長が手業で畳を作る事もできますが、現在は二台の畳製造機械を用いて畳張替えをおこなっています。
これは横着をしているわけではありません(笑)

畳表張替えは畳表を畳床に縫い付けていく作業が主な作業になります。
縫い付け仕事は握力・腕の力のみならず全身に力の入る仕事であり、熟練畳職人であっても、12枚の畳張り替えを短時間でするのは不可能と云われます。

一番の問題は作業速度の低下ではなく「仕上がりの安定性のバラ付き」にあるのだとか。

作業後半に仕上げた畳は、握力低下が理由で縫い付けが緩いです!なんて、お客様は納得しませんものね?
疲れ知らずで「安定した力」を発揮し続ける二台の縫付機は必要不可欠な機械なのです。


先ずは古い畳縁を全て剥がし取り除きます。
そして「框裁断縫着機」に畳をセットして、古い畳表を取り除き、新しい畳表が載せられました。
この「框裁断縫着機」は畳の幅方向(框:カマチ)を寸法に合わせ裁断し、畳表を縫い付ける機械です。
施工例写真5
畳の長さに合わせて新しい畳表が断裁されます。
この畳表は、国産・高品質の天然い草で編まれた熊本産畳表を用いており、それは昭和25年の創業当時から変わらぬ拘りなのだそうです。

先代が佐賀県神埼郡(現在の神埼市)で創業し、当時は馬車荷車にて九州一円で畳工事・運搬をされていた御苦労もあります。
その後、昭和39年に京都城陽市に移転され今に至ります。

そんな歴史がある事も、熊本産(九州産)畳表に拘っておられる理由の一つではありますが、やはり一番の理由は品質が好いからであるのは云うまでもありません。


断裁した畳表に霧吹をして畳表を湿らします。
しかし全体ではなく部分的に留まていました!てっきり水分を含ませて縫い付け後の張りを強くする為と思ったら、巻きぐせやシワを取る為の一手間との事。
知ったかぶりして思い込みはいけませんね!
施工例写真6
そして畳床を框裁断縫着機 にセットし、畳表の断裁面に接着剤を塗布して下準備が完了。
最後に接着剤を塗るのは畳表の解れを防止する為です。
※御存知のとおり畳表はイグサの茎と麻糸とで出来た織物ですから、切り口を放っておけば解れてしまいます。

畳表が畳床の裏側に少し回り込む程度に余分な長さでセットすれば、あとは自動的に縫付けをしてくれます。
いよいよ 框裁断縫着機が稼働を始めました。
太い針が畳表と畳床をザクザク、ガチャコンガチャコンと縫い込んでいき、框の端から端までを縫着けるのに数十秒で終えてしまいます。

縫い終わりの様子を見れば、均一の力でしっかりと縫い付けてあるのがわかりますね!
施工例写真7
縫付けが終わると共に、畳は自動で回転してセットされ、もう片側の框にも先ほどと同じ工程で縫付けが進められていきます。

ただし此処での注意点は「畳表に十分な張り」を作る為に、セットの段階で引張って位置決めがされます。
最終的な引っ張り具合は、絶妙なテンションを機械が決めてくれているようでしたが、此れらの工程全てを田中社長も、先代も手業でされていた時代があったのですから恐れ入ります。

框の両側が縫付け終わると、その畳のデータを再び書き入れます。
データとは「部屋のどの場所に設置する畳なのか」を識別する判別記録であり、最初に畳サイズがコンピュータ入力がされて張替え作業がはじまったのは、畳毎に設置する場所までをコントロールしなければならないからです。
施工例写真8
畳框の縫着けが終わると、別の機械へ移されます。

今度は畳の縁(長さ方向を)縫着ける機械で「平刺機」と呼ばれ、こちらは畳縁(布帯)を縫付けると同時に縁の余分な畳表もカットしていくので少し複雑な動きをする機械です。

畳縁は畳を補強するのが最大の目的なのですが、時代とともにファッション性も求められるようになり、様々な素材や模様が用いられた装飾としての位置づけも。

畳が斜めにならないように位置決め後、固定され平刺機を稼働させます。
施工例写真9
機械が動き始めると帯状の畳縁が縁に沿って縫われていき、同時に余分な畳表も切り落とされていきます。
これからの工程は最初にコンピュータに打ち込んだ畳のサイズ寸法と連動した動きになっているはずですが、一見しただけではそれはわかりません。

もちろん素人の私が見るのですから当たり前かも知れませんが、その領域の精度をだして畳表の張替えがされていると云うのは、やはり驚きでした。

畳縁が縫付け終わると、この機械でも反対側の縫付けをする為に自動で畳を回転させます。


施工例写真10
ここで一旦、職人さんの手業が!
作業をされているのは息子さんの裕司さん。
最初の縫い付けは裏返しの状態で縫い終わるので、さらに仕上げの工程に移行する前に下準備をします。
畳縁も張りを持たせて縫い上げるために畳縁を引っ張ってテンションを持たせたまま畳床に固定するのです。
その作業を拝見しているとかなりの力で引っ張って固定していくのがわかります。
畳縁が綺麗な直線になるように、折り目をしっかり正確に出すので、汗を吹きだしながらの作業です!

裕司さんも畳職人の仕事をされるのはもちろんですが、日本の伝統文化を発信するための企画も自ら立ち上げたりと、積極的に活動されています。
まだ此処では明かせませんが、裕司さんが先頭になって開発した製品(既に特許登録済み)でのプロジェクトが進行中で、これからが益々面白くなりそうです。
施工例写真11
畳縁縫着の二段階目は機械に置かれた畳が斜めにセットされ縁への縫付けがされていきます。
機械が動き一針毎にただの帯だった布が畳床の縁にしっかりと縫付けられ、畳縁として姿を替えていきます。

この工程も畳の長さ方向二箇所で行われるので、手作業も機械作業も二回づつ、今回は24回の作業がくりかえされていきました。

畳の張替えは以上の工程を経て完了です。

この日は朝の引取から畳張替えを終えるまでに約半日が掛かりました。
取材にお邪魔しているぶん、少し時間が掛かってしまったようで申し訳なかったですが、普段は見ることができない畳張替えの見学は大変勉強になりました。
施工例写真12
そうそう、田中畳店の畳張替えは作業終了後に全ての畳を加熱乾燥機で乾燥した後、お客様の元へ納品されます。
ただ水分を飛ばすだけでなく加熱する事でダニ等を死滅させ殺菌する事で、畳を快適に使って頂けるようにと願ったサービスです。

天然素材の畳表は数種類から選んでいただけますので、ももちろんリーズナブルな畳表も御用意されてるとの事。

ほぼメンテナンスフリーにされがちな畳なので、数年間も設置されたままと云うのが多いなか、畳の持つ能力も低下していくものですから、畳表張替えは畳床メンテナンスと同時に設置床のメンテナンス・清掃の機会でもあると考えると好いかもしれません。

京都府城陽市で信頼の置ける畳屋さんをお探しであれば田中畳店さんへご連絡を。
熟練畳職人が責任を持ってお仕事させていただきます。

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