足場の必要性と重要性、そして足場屋さんのやりがい

街中や住宅街で足場が組まれた建物を目にすると
誰もが今あそこは工事中なんだとなんとなく分かると思いますが

ただ、実際に建築現場に立って直接肌で感じないと
本当の意味で足場の必要性や重要性をちゃんと理解することはできません。

足場は外壁塗装や屋根の葺き替えなど
家やビルといった建物の周りの工事をするときに設置されるモノで

地上では自由に動けても、高所となると足場のある所にしか行き来できないため
そんな不安定な場所で一日ずっと作業し続ける塗装や屋根職人さんにとって命綱であり
とても重要な役割を担っています。

ただ足場は職人さんの安全面だけでなく、はじめにも記したように
工事をしているということを近隣住人から現場前を通る人たちに形として見せることで
『 工事中だからあまり近づかないようにしよう 』 という警戒心が自然と生まれる効果もあり

防護カバーは塗装前の高圧洗浄の水飛沫や作業中の埃や粉じん、塗料などの飛散防止だけでなく
部品や工具、材料などが誤って落下して隣接する家の壁や物
駐車中の車へ接触して傷や凹みといったトラブル回避のためにも掛けられています。

そんな大切な足場は、ただ組めばいいというモノではなく
家の形を見て、瞬時に頭の中で完成形を描き
安全かつ手際良く組んでいくだけの経験と勘と想像力が必要になり
足場屋さんの組み方によって塗装や屋根の仕上がりにも大きく影響するほどで

実際に現場で働く職人さんに伺うと、時々 足場が建物から適度な距離を保ってなく遠いことがあって
屋根の葺き替えの場合だと元々ある屋根材を剥がして下に降ろす作業がいつも以上に時間がかかるし
足を広げ続けることで負担も大きくなって疲れるなど、実際に足場屋さんにも上手い下手があります。

足場は組んで作業が終わると解体して撤収するので
大工さんやクロス屋さん、塗装・屋根屋さんなど他の職人さんとは違って完成しても形として残りませんが

使った職人さんの作業が上手く進み、キレイに仕上がった裏には足場屋さんの陰での支えがあり
『 仕事がやり易かった 』 という一言が足場屋という仕事のやりがいだと仰ってました。

“自分たちは仕事が終われば現場を離れるけど
お客さんはこれからもこの家にずっと住んでいくからどれだけキレイに仕上がっても
そういった周りのこともしっかりとケアした工事をしないと本当に良い仕事をしたとは言えない“

これが現場で働く職人さんの生の声ですが
工事費を少しでも抑えたいからと足場を組まない無理な施工を要求するお客さんも中にはいます。

果たしてそれで職人さんが安全に仕事ができるでしょうか？
近隣に対して本当に配慮できていると言えるでしょうか？

足場はただ作業をするために必要なモノではなく
お客さん、職人さん、近隣の方々、近くを通る人
みなさんにとって命の架け橋となるとても大切なモノであり

だからこそ、高所での作業には足場は絶対必要なんです。