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今回は株式会社タケウチの竹内克利さんに取材させていただくことになり、三重県御浜町に伺いました。
 竹内さんが待ち合わせ場所に指定してくださったのは、御浜町の観光案内所でした。
 
 観光案内所内に貼られた、壁一面の大きな獅子舞の写真。
 これこそが、竹内さんが製作・施工したクロスでした。
 驚くほどの迫力を感じさせるクロスを拝見したのは初めてで、竹内さんのお仕事ぶりをもっと知りたいと感じた瞬間でした。
 
 
今回は株式会社タケウチの竹内克利さんに取材させていただくことになり、三重県御浜町に伺いました。
 竹内さんが待ち合わせ場所に指定してくださったのは、御浜町の観光案内所でした。
 
 観光案内所内に貼られた、壁一面の大きな獅子舞の写真。
 これこそが、竹内さんが製作・施工したクロスでした。
 驚くほどの迫力を感じさせるクロスを拝見したのは初めてで、竹内さんのお仕事ぶりをもっと知りたいと感じた瞬間でした。
 
 
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まずは竹内さんについてご紹介させていただきます。
 三重県御浜町を拠点に、クロスの貼り替えやデジタルプリントの施工を手がける竹内克利さんは東大阪のご出身。
 お父さまが吹付塗装の親方で、子どものころから職人の世界が身近にあり、夏休みには現場の手伝いをしていたそうです。
 当時、ツートンカラーの車に乗っていた職人がサーファーのように爽やかでかっこよく、憧れたことが職人の道を志すきっかけになったそうです。
 
 高校2年生のときに「クロス職人になろう」と決意し、大阪で修行を始めました。
 その後、18歳から29歳までの11年間、三重県の親方のもとで腕を磨き、御浜町へ拠点を移しました。
 
 
まずは竹内さんについてご紹介させていただきます。
 三重県御浜町を拠点に、クロスの貼り替えやデジタルプリントの施工を手がける竹内克利さんは東大阪のご出身。
 お父さまが吹付塗装の親方で、子どものころから職人の世界が身近にあり、夏休みには現場の手伝いをしていたそうです。
 当時、ツートンカラーの車に乗っていた職人がサーファーのように爽やかでかっこよく、憧れたことが職人の道を志すきっかけになったそうです。
 
 高校2年生のときに「クロス職人になろう」と決意し、大阪で修行を始めました。
 その後、18歳から29歳までの11年間、三重県の親方のもとで腕を磨き、御浜町へ拠点を移しました。
 
 
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「都会では仕事が分業制だけど、うちはクロスも襖もタイルも全部やる。仕事の内容が濃い分、それが今の一番の強みになっている」と竹内さんは話します。
 実際、株式会社タケウチの仕事は“下地づくり”からすでに違います。一般的な内装業者では2回で終えるパテ処理を、タケウチでは3回に分けて丁寧に行います。
 
 1回目には、耐震補強にも使われる高価な弾力性パテを使用し、ベニヤ板を曲げても割れないほど柔軟で強い下地をつくります。
 そのため仕上がりが長持ちし、見えない部分から家の品質を支えています。
 
 お客様に余分な費用を負担させることなく、固定費の中で最高の仕上がりを実現していることも大きな特徴です。
 
「都会では仕事が分業制だけど、うちはクロスも襖もタイルも全部やる。仕事の内容が濃い分、それが今の一番の強みになっている」と竹内さんは話します。
 実際、株式会社タケウチの仕事は“下地づくり”からすでに違います。一般的な内装業者では2回で終えるパテ処理を、タケウチでは3回に分けて丁寧に行います。
 
 1回目には、耐震補強にも使われる高価な弾力性パテを使用し、ベニヤ板を曲げても割れないほど柔軟で強い下地をつくります。
 そのため仕上がりが長持ちし、見えない部分から家の品質を支えています。
 
 お客様に余分な費用を負担させることなく、固定費の中で最高の仕上がりを実現していることも大きな特徴です。
 
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竹内さんの現場では、笑い声が絶えません。
 取材の日には、新しく正社員として入社した25歳のお弟子さんがいました。
 まったく違う職種から転職し、「新しいことに挑戦したくて弟子入りしました。毎日が楽しくて、親方が優しいので頑張れそうです」と話します。
 
 
竹内さんの現場では、笑い声が絶えません。
 取材の日には、新しく正社員として入社した25歳のお弟子さんがいました。
 まったく違う職種から転職し、「新しいことに挑戦したくて弟子入りしました。毎日が楽しくて、親方が優しいので頑張れそうです」と話します。
 
 
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7年目になる職人の前(まえ)さん(31歳)も、「初めての挑戦ができたり、仕上がりがきれいになると嬉しいです」と笑顔を見せます。
 
 すると竹内さんが、「ほんまかいな、毎日パワハラされてるんちゃうん?」と冗談を飛ばし、現場に笑いが広がります。
 そんな明るい空気が、株式会社タケウチの現場を包んでいます。
 
 地域を盛り上げるためには、若い人の雇用を生むことが大切だと竹内さんは考えています。
 
7年目になる職人の前(まえ)さん(31歳)も、「初めての挑戦ができたり、仕上がりがきれいになると嬉しいです」と笑顔を見せます。
 
 すると竹内さんが、「ほんまかいな、毎日パワハラされてるんちゃうん?」と冗談を飛ばし、現場に笑いが広がります。
 そんな明るい空気が、株式会社タケウチの現場を包んでいます。
 
 地域を盛り上げるためには、若い人の雇用を生むことが大切だと竹内さんは考えています。
 
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コロナ禍の影響で一時は売り上げが落ちたものの、翌年には持ち直し、さらに挑戦を重ねてきました。
 しかし今年に入り、新築需要が減り、再び売り上げが減少。
 
 工務店を通じた新築案件が減ったことから、今はお客様から直接仕事を受ける形を目指して動いています。
 そのため「ええ職人ドットコム」に登録され、全国の若い職人たちが集まる「全日本貼屋連盟」や「装天」などのコミュニティにも参加されています。
 SNSで情報を共有し合いながら、刺激を受ける日々を送っています。
 
 株式会社タケウチの特徴の一つに、自然素材を活かした「通気断熱・ダブルビー工法」への理解があります。
 外と内の両側に通気層を設け、壁の中を空気がゆるやかに流れることで、一年を通して快適な湿度と温度を保つ工法です。
 珪藻土や和紙などの自然素材とも相性がよく、素材の調湿性をさらに活かすことができます。
 
 竹内さんはこの工法の考え方に共感し、「家が呼吸する」という言葉を大切にしています。
 
 
コロナ禍の影響で一時は売り上げが落ちたものの、翌年には持ち直し、さらに挑戦を重ねてきました。
 しかし今年に入り、新築需要が減り、再び売り上げが減少。
 
 工務店を通じた新築案件が減ったことから、今はお客様から直接仕事を受ける形を目指して動いています。
 そのため「ええ職人ドットコム」に登録され、全国の若い職人たちが集まる「全日本貼屋連盟」や「装天」などのコミュニティにも参加されています。
 SNSで情報を共有し合いながら、刺激を受ける日々を送っています。
 
 株式会社タケウチの特徴の一つに、自然素材を活かした「通気断熱・ダブルビー工法」への理解があります。
 外と内の両側に通気層を設け、壁の中を空気がゆるやかに流れることで、一年を通して快適な湿度と温度を保つ工法です。
 珪藻土や和紙などの自然素材とも相性がよく、素材の調湿性をさらに活かすことができます。
 
 竹内さんはこの工法の考え方に共感し、「家が呼吸する」という言葉を大切にしています。
 
 
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グラスファイバーの入ったテープをクロスの縁に挟み、天井が傷つかないように施工します。
 
 さらに竹内さんは、左官工事との協力関係も築いてきました。
 もともと左官屋さんが塗っていた壁が、時間とともに割れてしまうことが多く、その課題を解決するために、クロスで塗りのような仕上がりを出せる和紙下地をネットで見つけました。
 これを実際の施工に取り入れることで、左官職人も塗りが楽になり、お客様の費用もほとんど変わらず、両方にとって幸せな仕上がりを実現しています。
 「大工さんや左官さんに『こんなんあるで』と提案できるのがうちの強みです」と竹内さんは語ります。
 
グラスファイバーの入ったテープをクロスの縁に挟み、天井が傷つかないように施工します。
 
 さらに竹内さんは、左官工事との協力関係も築いてきました。
 もともと左官屋さんが塗っていた壁が、時間とともに割れてしまうことが多く、その課題を解決するために、クロスで塗りのような仕上がりを出せる和紙下地をネットで見つけました。
 これを実際の施工に取り入れることで、左官職人も塗りが楽になり、お客様の費用もほとんど変わらず、両方にとって幸せな仕上がりを実現しています。
 「大工さんや左官さんに『こんなんあるで』と提案できるのがうちの強みです」と竹内さんは語ります。
 
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竹内さんは特殊壁紙施工の全国ネットワークに所属していたことがあり、そこでデジタルプリント壁紙の技術に出会いました。
 大宮駅の鉄道博物館の施工応援にも参加しました。
 その経験をきっかけに、3年がかりで補助金を獲得し、ついに自社にデジタルプリンターを導入。
 これにより「オリジナルクロス」を自分たちの手で制作できるようになりました。
 
竹内さんは特殊壁紙施工の全国ネットワークに所属していたことがあり、そこでデジタルプリント壁紙の技術に出会いました。
 大宮駅の鉄道博物館の施工応援にも参加しました。
 その経験をきっかけに、3年がかりで補助金を獲得し、ついに自社にデジタルプリンターを導入。
 これにより「オリジナルクロス」を自分たちの手で制作できるようになりました。
 
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お寿司屋さんの古民家改装の現場では、「竹の柄の天井クロスを作りたい」という要望を受けました。
 ところが既製品にちょうど良い柄がなく、竹内さんはAdobeのソフトを使って竹の柄をデザイン。
 クロスはのりをつけると伸びるため、その伸びを計算してプリントするという細やかな職人技を見せます。
 
 クロス職人としての知識とデザインの発想を融合させた、唯一無二の仕事です。
 
 ユニフォームのプリントや会社ロゴなどのデザインは、奥様の希世子さんが担当しています。
 PhotoshopやIllustratorを独学で学び、少しずつ技術を磨きながら、夫婦で創造的な仕事を形にしています。
 「推し活しながらデザインを覚えて、だんだん上手になってきたんですよ」と希世子さんは照れ笑い。
 夫婦二人三脚で新しい形のクロス屋をつくっています。
 
お寿司屋さんの古民家改装の現場では、「竹の柄の天井クロスを作りたい」という要望を受けました。
 ところが既製品にちょうど良い柄がなく、竹内さんはAdobeのソフトを使って竹の柄をデザイン。
 クロスはのりをつけると伸びるため、その伸びを計算してプリントするという細やかな職人技を見せます。
 
 クロス職人としての知識とデザインの発想を融合させた、唯一無二の仕事です。
 
 ユニフォームのプリントや会社ロゴなどのデザインは、奥様の希世子さんが担当しています。
 PhotoshopやIllustratorを独学で学び、少しずつ技術を磨きながら、夫婦で創造的な仕事を形にしています。
 「推し活しながらデザインを覚えて、だんだん上手になってきたんですよ」と希世子さんは照れ笑い。
 夫婦二人三脚で新しい形のクロス屋をつくっています。
 
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現在は御浜町におしゃれな事務所を新築しましました。
 
 敷地にはバナナやアボカド、レモンなど南国の植物が植えられ、訪れる人の心を明るくしてくれます。
 移住者も多いこの町で、竹内さんは「地域のつながりを増やしていきたい」と語ります。
 
 商工会や地元の人たちにも積極的に声をかけ、仕事の輪を広げています。
 
現在は御浜町におしゃれな事務所を新築しましました。
 
 敷地にはバナナやアボカド、レモンなど南国の植物が植えられ、訪れる人の心を明るくしてくれます。
 移住者も多いこの町で、竹内さんは「地域のつながりを増やしていきたい」と語ります。
 
 商工会や地元の人たちにも積極的に声をかけ、仕事の輪を広げています。
 
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プリンターの仕上がりがとてもきれいで、印刷する紙やラミネートを組み合わせたら無限の可能性です。
 
 「お客様の表情や好きなものを見て、その人に合った提案をするのが楽しいです」と竹内さん。
 単なる壁の貼り替えではなく、“その人の暮らしに合った空間づくり”を目指しています。
 仕事は一手に受けて、お客様との打ち合わせから施工までをすべて自社で完結させる。
 その姿勢が信頼を生み、地域の人たちに長く愛される理由になっています。
 
プリンターの仕上がりがとてもきれいで、印刷する紙やラミネートを組み合わせたら無限の可能性です。
 
 「お客様の表情や好きなものを見て、その人に合った提案をするのが楽しいです」と竹内さん。
 単なる壁の貼り替えではなく、“その人の暮らしに合った空間づくり”を目指しています。
 仕事は一手に受けて、お客様との打ち合わせから施工までをすべて自社で完結させる。
 その姿勢が信頼を生み、地域の人たちに長く愛される理由になっています。
 
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タグ風の印刷も、1mmの中に入れて接着したりと、細部にまでこだわりが見られます。
 
 「ええ人に出会えて、ええタイミングで助けてもらってる。ほんまにありがたい人生です」と竹内さんは穏やかに話します。
 長年の経験と人とのご縁が、今の株式会社タケウチを形づくってきました。
 御浜町の風が吹く事務所には、今日も職人たちの笑い声が響き、壁の向こうに新しい物語が生まれています。
 
 サンプルに私の写真をプリントしていただいたのですが、今度はあれやこれや注文をしたいなと思いました。
 既製品にとらわれない、クロスの可能性を広げる竹内さん。
 内装工事のご相談は、ぜひ竹内さんにお問い合わせください。
 
 
 撮影・記事=&mederu (ayanon)
 
タグ風の印刷も、1mmの中に入れて接着したりと、細部にまでこだわりが見られます。
 
 「ええ人に出会えて、ええタイミングで助けてもらってる。ほんまにありがたい人生です」と竹内さんは穏やかに話します。
 長年の経験と人とのご縁が、今の株式会社タケウチを形づくってきました。
 御浜町の風が吹く事務所には、今日も職人たちの笑い声が響き、壁の向こうに新しい物語が生まれています。
 
 サンプルに私の写真をプリントしていただいたのですが、今度はあれやこれや注文をしたいなと思いました。
 既製品にとらわれない、クロスの可能性を広げる竹内さん。
 内装工事のご相談は、ぜひ竹内さんにお問い合わせください。
 
 
 撮影・記事=&mederu (ayanon)