京都市上京区　　ガルバリウム鋼板の立平葺き

早野さんは職人歴35年のキャリアを誇る熟練工ですが、意外にも家業を継ぐことを意識していなかったと語ります。
「家業を手伝うことが好きだったから」という理由で、自然とこの道を歩むことになりました。

幼い頃からお父様やおじい様、そこで働く職人たちのたくましい姿を見てこられたことを思うと、同じ道に進みたくなる気持ちも納得が出来ます。

今回、早野さんが手掛けた施工内容は、立平葺き替え工事です。
この工事は、屋根の形状を整え、雨水の流れを最適化するために非常に重要です。

立平葺き（たてひらぶき）とは、金属板を使用した屋根材を縦方向に葺いていく施工方法で、主にガルバリウム鋼板などの軽量な素材が使われます。
ハゼと呼ばれる継ぎ目を立ち上げて施工することで、雨水が侵入しにくく、防水性を高める効果があります。
まさに、雨の多い日本の気候に適した屋根工法の一つです。

シンプルな構造による「施工の早さ」と「コストの安さ」が魅力で、瓦やスレートと比較しても部材が少なく、施工期間が短縮できるため、工事費用も抑えられます。
また、屋根材自体が非常に軽いため、建物の耐震性向上にも役立ちます。
直線的でモダンな外観はデザイン性にも優れており、メンテナンスも手間いらずな錆びにくいガルバリウム鋼板を使用すれば、長期的に美観を保てるのも魅力です。

立平吹き替え工事のプロセスは、まず現状調査から始まります。
既存の屋根や外壁の状態を確認し、古い材料を丁寧に撤去します。
既存の屋根材が乗っている時点ではわからなかった素地の状態も、この時に確認できます。
意外と住民の方も気づかれていない雨漏りの痕跡や、今まさに雨漏りになりかけている箇所を発見することも結構あるのだそう！

古い屋根材を撤去したら、新しい材料を取り付けるための下地を整え、屋根材や外壁材を取り付けた後には仕上げ作業を行います。
全体を確認して完了となります。

この工事は天候や季節に影響されるため、計画的に行うことが重要です。

作業の合間にも接客対応です。

一緒に作業されている熊川さんにもお話を伺いました。
「お二人の出会いについて」早野さんとお二人で目を合わせて「話せば長くなる」と微笑みます。

熊川さんも家業は板金屋さんでした。
やむを得ず店をたたまなければいけない岐路に立ったとき、お二人は互いに助け合い、今のような形で一緒にお仕事をするようになりました。

この絆は仕事を通じてさらに深まり、お互いを支え合いながら日々の業務に取り組んでいます。
共に働くことで技術だけでなく、家族のような強固な絆が築かれています。

早野さんはリック・アストリーに似ていると評判だそうで、その親しみやすい雰囲気、ニコニコとした柔和さがが多くのお客様に安心感を与えていると感じました。

人柄がお仕事にも表れており、お客さんとの関係を大切にしている姿勢が、多くの人に支持されています。
家業を支える職人として家族や仲間との絆を大切にする姿勢、これからも信頼を得ながら、屋根・板金屋としての技術を磨き続け、地域に貢献されるとお話を伺っていてしみじみ感じました。


どんな現場も大切に丁寧に、使う人を安心させる屋根工事が、建物の美しさを引き立たせて耐久性と寿命を延ばすとともに、次世代に美しい京都の景観を残すことにもつながっていくのですね。
夏季の猛暑が深刻化している昨今、家に住む人々を守る防御壁「屋根」を守る仕事は、地域社会に根ざした大切な役割だと思います。

屋根についてご不安がある、そろそろ張り替えたいな、という思いがありましたら、ぜひ早野さんにご相談ください。
優しく包み込んでくれる雰囲気に安心してお任せできると思います。


撮影・記事＝＆ｍｅｄｅｒｕ　（ａｙａｎｏｎ）