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大工  疇地俊宏の施工例

施工例写真1
今回は大阪と和歌山の県境、和歌山県紀ノ川市へやってまいりました。
大阪府阪南市を拠点に大工業を営む「あぜち建築」疇地俊宏さんの土間リフォームの取材現場となりました。

写真でご覧いただく通り大変立派な屋敷で、築100年に届こうかという伝統的な日本家屋です。ここで土間の改修工事が行われていました。

今回の工事は土間の床そのものには手を加える事はせず、土間から上る段の高さを緩和するとともに、それが新設した廊下として機能するようにされるそうです。

さてどのような仕上がりになるのか楽しみです。
施工例写真2
今日で土間工事二日目との事で、太い角材で作られた骨組みが設置完了した状態でした。

こちらの家はあらゆる所のリフォームを疇地さんが工事を手掛けてるとの事で、それは施主様の祖父の時代からになるとの事!もう十数年のお付き合いだとか!

写真に左に見える階段と手摺の新設も疇地さんのお仕事です。
今回の土間への床通路新設は、母屋である此処と、離れとをフローリング床通路で結ぶ工事の総仕上げともなっています。
此れまではいちいち履物が必要でしたが、それの不便も解消されるようになります。
(写真下に離れに続く扉が写っています)
施工例写真3
木材の骨組みを細かく見ていくと手の込んだ作りになっているのがよくわかります。
この床への骨組み施工の前には疇地さんによって既存の木材部分に「防蟻(シロアリ対策)・防腐処理」もなされています。
こうした心配りは直接に大工工事を請けられる大工さんならではだと思います。

骨組みは施工設置の場所に合わせて手仕事で細かく加工されて、流石に大工さんのお仕事というのが伝わって参ります。
骨組み本体の重量だけでも相当なものですが、万が一にもズレ等が発生しないように、骨組みとタイル床をL字金具で結び、専用のビスで固定してありました。
安全面に十分配慮された施工ですね。

土間の床が僅かに傾斜してる事を考慮して、骨組み下に設置されたスペーサーは数種類の厚みを用意して、骨組みを水平に設置し水平なフローリング床通路を作り上げます。
※このスペーサーは湿気がこもってしまうのを防ぐ通風口を確保する役割も持たせています。
施工例写真4
骨組みの観察を終えた所で床下地の製作作業に移られます。
床下地板は24ミリ厚×91センチ幅×182センチ長のJAS規格適合国産合板を使用。

設置箇所の骨組みに合わせて採寸し、丸ノコを用いて切り出しされていきます。
この作業が意外にも繊細で丸ノコで大まかに切り出したのち、実際に設置場所に合わせてから所々をノミで削っていく作業をされていました。
施工例写真5
土間からの上がりは腕きき大工さんが良質の木材で作られたのがわかる本当に素晴らしいものですが、築100年近い年季の入った木の為、肉引けの影響もあり部分的に歪みも発生してるようです。
ただしそれは採寸してわかる程度の些細なもの・・・阪南市で腕を磨いた大工、疇地さんはその誤差にあわせて床通路の床下地加工に挑みます!

墨で罫書きされた線を見て頂くと、仕上げに近づいていく段階の加工の繊細さがご理解頂けるのではないでしょうか?

場所によっては丸ノコの刃幅にも満たない薄さで余分が削られて行きます!
自分が使い慣れた道具で器用に加工されていくのが、さすが熟練大工さんだと思いました。
施工例写真6
数回の寸法合わせと加工を繰り返し、一枚目の床下地が骨組みに設置されました。

既存の階段や上がりとの隙間幅は1ミリに満たない極僅かな隙間で作られました。
この隙間を設ける事で乗って歩いた時にきしみ音が鳴るのを防ぐのだそうです。

なんでもかんでもピッタリ着ければ良いのではないのですね!?

疇地さんは体重100キロに届こうかと言う立派な体格ですが、その体重でもびくともしない頑丈な作りの通路床下地です。
施工例写真7
土間リフォームはどんどん進んで参ります。
母屋の隣へ続く扉まで今日中に床下地を完成させなければなりません。

板と板との繋ぎ目には必ず骨組み角材の上に板が架かるように切り出し加工されています。
この骨組み角材は90センチ角サイズで強度も十分です。

この角材を選ぶにあたり、疇地さんは綿密な計算をして材料を選んでいます。
新規設置する土間の渡り廊下は横の階段へも繋がっているので、その一段目と段差を作らないように、フローリング床板・床下地板・ゴムスペーサーの各厚みから算出した、残りのサイズによって90センチ角材を選んだそうです。

例えば土間の床タイルから階段の一段目の踏み板高さが17センチとした場合、仕上げのフローリング板2.5センチ・床下地板2.5センチ・角材下に敷くスペーサー厚2センチで、残りの10センチが骨組みに使える角材となります。
※先にも書きましたが土間床の傾斜はスペーサーの厚みで調整して水平を出します。

施主様と御家族が使いやすく作れるかを考えて、気配りされた土間通路の製作なのです。
施工例写真8
三枚目の床下地合板は斜めに切り出されて、上がりを支える桟木や土台の形状にも合わせて細かく刻まれていきます。

下地板を何分割にして施工するかも大工さんの経験とセンスによって決まってきます。
疇地さんは大阪の阪南市の現場を主にして腕を磨いた大工歴20年のベテラン大工職人ですので、安心してお任せできる大工さんです。

因みに此処、和歌山県紀ノ川市の現場は泉佐野市にも住まいを持たれる、施主様の別邸宅となっており、施主様の祖父時代からリフォームを担当したご縁あっての工事だそうです。
施工例写真9
最後の床下地が一番の難関です。

扉敷居と壁と上がりに囲まれた複雑な形状のスペースに床下地をはめ込むのですが、その隣接する面との隙間設定をどれくらいにするかで、はめ込みやすさが変わります。
そのサイズは0.02ミリ程づつを削りながら調整を繰り返して、ジャストサイズを探ります。

柱等に対応した細かな加工もご覧のとおりです。

土間の立ち上がりは玉砂利壁、その上はじゅらく壁と日本家屋独特の佇まいが大変魅力的な作りですが、リフォームの際には硬い角材や板材等で削ってしまわないように、細心の注意を持ってリフォーム施工をしなければなりません。

そのあたり、施主様が疇地さんへの信頼をされていて全く安心して任されているのが伝わってまいります。
施工例写真10
本日の土間リフォーム工事は床下地板の施工で終了となりましたが、框(かまち)の加工を見せていただきました。

床下地板は角材骨組みのかどから5ミリ幅ではみ出させて取り付け施工されています。
その理由は框を床下地板にハメ込んで仕上げ施工がされるからです。

この框取り付け施工はフローリング板張りがされてから最後の工程なので、今回は24ミリ幅(床下地の厚みと同じ)の溝を彫る加工だけになります。
施工例写真11
フローリング床張りは翌日の工事なのですが、施主様はこの日から通路として利用される筈です。

ですが床下地板の表面を素足で歩かれるのは危険ですので、板の表面をサンドペーパーで滑らかに整えます。

こう云う細かな気配りの積み重ねが自然にできる大工さんだからこそ、疇地さんを指名してリフォームを任せているのだと感じた次第です。

疇地さんは「かかりつけ医のような大工を目指している」とおっしゃいます。
リフォーム工事を終えたら、ご縁も終わるのではなく、御自身の専門以外の工事でも頼っていただき御相談していただくことで、真面目で腕が良くお互いに切磋琢磨し信頼関係を構築した仕事仲間を御紹介出来るとおっしゃいます。

20年の大工経験で得たのは「単に物を作る技術」ではなく、仕事を通じて出会った方々との「信頼関係」であり、それが最も大切なものであるといいます。
大阪でリフォームの御用命は阪南市の大工さん「あぜち建築」の疇地俊宏さんに御相談を。

今回の土間リフォーム・土間式台設置工事の完成は追記掲載いたしますのでお楽しみに。
施工例写真12
※10月6日追記

先月半の取材でお伝えした阪南市の大工さん「あぜち建築」疇地さんの玄関土間改装・階段の段差解消リフォームの施工完了写真が届きました。

施主様の御両親は元々農家をされていたので、上がり框の段(高さ)も作業服のまま座って休めるような、玄関土間=縁側の役目も持っていた土間の造りでしたが、その高さがあった上り框(床)と土間との段差解消と、隣部屋からの通路の役割も兼ね備えた完全オーダーメイド土間式台の完成です。

角材と板材で作られた下地に仕上げフローリング材が張られて大変美しい土間式台。
既存の上がり框と土間を残して、新たにL字に折れ曲がった複雑な構造の土間式台設置施工となりましたが、新たな上り框の仕上げもご覧のとおりの綺麗な仕上げで、もちろん幅木も取り付け施工されおり、細かい部分までしっかりと作り込まれた土間式台となりました。

まるで最初からこの状態で建てられた家のような、自然な佇まいも「あぜち建設」疇地さんの技術の高さが伺えます。

築後100年に届きそうな伝統的な日本家屋・古民家の土間リフォームでしたが、現代建築リフォームから古民家改造リフォームまで、大工工事の経験豊富な疇地さんなら問題なく、安心して任せて頂けます。
土間に式台を新たに設置したい等、阪南市のリフォームの御相談は「あぜち建築」疇地俊宏さんへどうぞ。

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