京都市上京区　　和瓦から平板瓦への葺き替え

現場にお邪魔したときには
すでに古い瓦は全て撤去して
野地板の補修とルーフィングが施され
新しい瓦を葺き替えられている途中でした。

今回使用するのは平板瓦で、その枚数は約６００枚。

屋根の形状に合わせてカットしなくてはいけませんが
家が建ち並んだ場所のため

できるだけ近隣にご迷惑にならないよう飛散防止として
吸引機を当てながらのグラインダー削られていました。

今回の現場で西出さんは二十年来の付き合いという
職人仲間である山根さんといっしょの作業です。

西出さんの仕事のスタイルとして
規模が大きければ複数人の仲間を呼ぶことはもちろん

逆にどんなに規模が小さくても
必ず二人体制でするようにしてらっしゃいます。

その理由として、作業分担をすると
一人の負担が軽減されることで事故防止になり

もし何かあれば、ケガした本人はもちろん
お客さまにもご心配とご迷惑をかけてしまうということが
西出さんの念頭に常にあるため

まずは安全第一の施工を心掛けておられます。

そんな西出さんは友人に誘われ
１７歳で瓦職人として歩み出されました。

当時は瓦屋根全盛の時代で
ただ毎日 瓦と向き合い瓦だけを施工されていたそうですが
阪神淡路大震災をキッカケに
瓦屋根の需要が大きく変わっていったことで

お客さまのニーズに応えるために
知り合いの板金職人さんから
カラーベストやガルバリウムの施工方法を学び

瓦屋さんから屋根のスペシャリストとして
万能型の職人さんへと変わっていかれました。

『 １００点を目指して自分の家のように 』
『 やった仕事はずっと残るから後悔のないように 』

それが修業時代に教わり
仕事を続けていく中で自らが辿り着いた１つの答えで
西出さんはそれをモットーに仕事をしてらっしゃいます。

瓦自体の耐用年数は半世紀とも言われていますが
それを扱う職人さんの技術や気持ちの差で
瓦本来のチカラを最大限に発揮できるかに関わってきますので

そんな迷いも不安も西出さんに直接相談すれば
その人にとって最良の選択を
導き出してくれる職人さんだと感じました。


取材撮影＆文 ： とくおか じゅん